コーヒーは産地によって味が違うというのは結構広く知られていることだと思いますが、そんなコーヒー豆も品種自体は同じだったりします。
また、コーヒーには産地ごとに風味に特徴があります。しかしそれらのコーヒー豆の品種も同じ(または亜種)であったりします。それなのになぜ味わいに特徴が出てくるのでしょうか。
それはコーヒーの味わいを左右するのは気候や土壌など様々な要因が関係しているためです。コーヒーは南回帰線から北回帰線の間所謂、「コーヒーベルト」という地域で主に生産されています。このコーヒーベルトはコーヒーの育成条件である雨量、日差し、土壌、気温がコーヒーの育成にとって最適な地域です。
しかし今回はそのような地域ごとのコーヒー豆の味わいではなく、品種の風味や特徴について調べていこうと思います。
まず、コーヒーには「コーヒー3原種」と呼ばれる3つの品種があります。
その3原種とは、
- アラビカ種
- ロブスタ種
- リベリカ種 です。
アラビカ種
世界に流通している約70〜80%はアラビカ種であり、アラビカ種とロブスタ種合わせて約99%を占めています。(流通量は収穫量によって大きく変動します。)
アラビカ種はエチオピア・アムハル高原に起源を持ち、世界で最も親しまれています。
この種は標高が1,000m~2,000mという高地で栽培されており、昼夜の気温差が大きく、その厳しい気温差を耐え抜くことでコーヒー豆は堅く育っていき、堅い豆であるほど風味の良いコーヒーになります。
また、この種の亜種も沢山存在し(ティピカ、カトゥアイなど)、それぞれで微妙に味が違います。
アラビカ種は高地で栽培しなければならないため、それだけで多大な労力を要するにも関わらず、病気にも弱い品種です。
その主な病気のひとつに「さび病」があります。
さび病とは
さび病とは植物に寄生するカビの一種であり、さび病に感染した植物の葉には黒色や褐色の斑文が出来てしまいます。これはコーヒーだけでなく様々な植物で見られる病気です。
この胞子が空気中に散布されたり、雨で地面や葉に落ちることにより感染し病気が拡大してしまいます。また、この病気にかかってしまった植物は光合成が出来なくなってしまうため、最悪の場合かれてしまうこともあります。
この病気によって殆どのコーヒーノキが枯れるという壊滅的な打撃を受けることもあり、コーヒーには最大の天敵とも言えます。
味わいの特徴
アラビカ種は他の品種に比べて酸味が強く、香りも強く華やかです。そのため、多くの喫茶店などで使用されています。因みにスターバックスのお豆は全てこのアラビカ種です。
また、カフェイン含有量も重量の1%程度と比較的少なめです。しかし、カフェイン含有量は焙煎度によって左右されます。
ロブスタ種
こちらは缶コーヒーなどによく使われている品種です。
主に標高が〜1,000mくらいのところで栽培されており、アラビカ種に比べて病気、環境の変化に強く、栽培が比較的容易とされています。
味わいの特徴
風味は力強く荒々しいものであり、苦みが強くなる傾向があります。
カフェイン含有量が重量の約2%程度です。
チェーン店のカフェではあまり取り扱われていない品種ではありますが、この荒々しい風味に惹かれてアラビカ種を専門に扱っているカフェも勿論存在します。
リベリカ種
世界全体のコーヒー流通量の約1%程しかないため、市場では殆どお目にかかることが出来ない品種です。
この種の特徴は5〜17mにもなる樹高と、他の品種に比べて大きくひし形に育つ果実です。その高さ故に収穫もしにくく、果実を実らせるまでに時間という点が流通量の低さに拍車をかけてます。
また、海抜200m程の低い標高で栽培することができ、過酷な環境にとても強いので熱帯で標高の低いマレーシアやフィリピンなどの国で栽培されますが、コーヒーの天敵であるさび病にはとても弱いです。
味わいの特徴
味わいは酸味が低く、苦味が強いという特徴を持っていて、アラビカ、ロブスタ種に比べて風味が劣っていると言われています。
しかし、その流通量の少なさから市場でなかなかお目にかかることができないため、見つけたときは是非飲んでみたいものですね。